2013年04月28日

新潟:朱鷺ワールド

新潟県佐渡市=佐渡島へ行って来ました。

2泊3日の滞在で仕事も兼ねて行ったのですが関係者の方に時間の許す限り佐渡を視察させて頂きました。

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佐渡は朱鷺ワールド



野生の朱鷺。帰り際に3羽が目の前に現れてくれた!


現時点での朱鷺の数は・・

・佐渡トキ保護センター:89羽+ヒナ15羽
・野生復帰ステーション:35羽+ヒナ12羽
・多摩動物公園:9羽+ヒナ4羽
・いしかわ動物園:8羽+ヒナ6羽
・出雲市トキ分散飼育センター:4羽+ヒナ4羽
・長岡市トキ分散飼育センター:4羽+ヒナ9羽

(全体)149羽+ヒナ50羽=計199羽

だそうだ。

江戸時代が終わるまでトキは日本中どこにでもいたという。元々、田んぼの稲を倒してしまうため古くから農家の人に害鳥扱いされていたそうだ。



宿泊したトキ交流館


開国後、明治時代になり害鳥という事もあり日本中で乱獲された。そして自然破壊や環境汚染もあり数は激減。1950年代から少数派ながら朱鷺の保護が始ったが時既に遅く日本国内のほとんどの地域で朱鷺は絶滅、野生として回復するのには不可能な数となったそうだ。




普通は冬には水を田んぼには張らないが、佐渡では生態系の為にバイオトープを作っている。



そして・・・・1981年、佐渡にいた最後の5羽を絶滅から救うために日本国は野生の朱鷺を保護という名の下に『捕獲』した。



その瞬間、日本の空から朱鷺の姿は消えた。




話は遡るが、宇治金太郎さんという方が居た。。害鳥として朱鷺が日本人から見られていた時代から野生の朱鷺に餌を与え続けた。『なぜあんな鳥に餌を与えるんだ!??』周りの人間は変わり者扱いしたそうだ。そして人に懐く事のないはずの野生の朱鷺が宇治金太郎さんの手からなら直接食べ物を取るようになった。宇治金太郎さんが餌場に行くのが遅れると朱鷺は途中まで迎え出るほどになったそうだ。

なんという信頼関係なのだろう。。。。。

稲作文化が日本に生まれてから忌み嫌われていた朱鷺にとってヒトは敵そのものだ。

宇治金太郎さんと朱鷺の間で千数百年の呪縛を破り『信頼』が生まれたのだ。




バイオトープ。市全体が一帯となって佐渡の生態系をもり立てようとしている感じを受けた。住民の生態系に対する理解は驚く程深い。



そして・・保護の重要性が国際的にも日本国にプレッシャーを与え・・・・・政府は宇治金太郎さんに『保護(捕獲)をせよ』という厳命を下したそうだ。

自然のままに自然の生き物が生きられなくなる苦痛を宇治金太郎さんは理解していたのではないだろうか。ある種の人間が培う自然界との信頼関係は理屈でも理論でも科学でも永遠に解き明かされる事はないと思う。

きっと朱鷺は宇治金太郎さんの人生の一部であっただろうし、朱鷺にとっても宇治金太郎さんの存在は人生の大事な宝物だったであろうと感じた。

保護をする為に捕獲しなければいけない・・捕獲すればこの朱鷺はもう仲間にあえない・・・捕獲すればもう空を飛ぶ事もない。。広い海や自由に行けた場所へはもう飛んでいく事はできない。。




トキふれあいプラザ・資料展示館


1968年・・・・・悲しみを胸に秘め宇治金太郎さんは最後の野生の朱鷺を抱きかかえた。暴れなかった。そして朱鷺は人工飼育下の施設へと送られたそうだ。朱鷺もわかっていたと思う。もう『いつも』はないと言う事を。宇治金太郎さんは施設へは死ぬまで出向かなかったそうだ。

『こんなに信頼してくれているのに』・・宇治金太郎さん朱鷺を裏切ってしまったという後悔が残り、年に何度も神社に参って朱鷺の長寿を祈っていたという。。宇治金太郎さんは1984年に81歳で亡くなった。最後まで『ごめん、本当にごめん』朱鷺に謝りながら亡くなられたという。

僕は『保護』という言葉が嫌いだ。保護という言葉は何とも上から目線で嫌いだ。
ツアー中、国立公園や世界遺産条約の説明にも『保護』という言葉を使うが、あえて一言自分の意見をいわせて頂いている。保護は『監視下』に置くという事。人は生かされている立場。植物と動物の命を『頂きます』という立場。保護をする立場ではない。

僕らにできる唯一の真実は、共に生き共に存在する事だけなのだ。結局それ以外は崩壊を招くのみだと生態系が教えてくれた。


野生で生まれた日本最後の朱鷺の名は「キン」、トキ観察員の宇治金太郎さんの名前をとって「キン」と名付けられた。

2003年10月10日、日本のトキが絶滅した・・・・キンは自由に飛び立っていた。きっと宇治金太郎さんに所へ真っ先に行ったのかもしれない。






旧新穂村に「佐渡市トキの森公園」がある。この公園に隣接する「佐渡トキ保護センター」は環境省が新潟県に委託し、トキの保護増殖事業を行っている施設。1967年に開設され、93年に現在の場所に移転した。公園内にある、保護センター併設の「トキ資料展示館」では、トキについてのさまざまな情報を紹介している。





朱鷺保護センターHP http://www4.ocn.ne.jp/~ibis/

トキの森公園(トキふれあいプラザ・資料展示館)Hp http://www.visitsado.com/00sp/0809/toki1.shtml  

Posted by K at 22:44Comments(0)JAPAN TRIP 2013